波乱まんじゅう記
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「ここしかない!」「ならば去勢した豚肉はどうか」と提案されましたが、これも角煮として炊くとけもの臭さが残ってしまいます。ス高原豚』という良質の豚肉を提供していることを耳にします。・一定面積あたりの飼育頭数が定められ、豚にストレスがかかりにくい環境で育てられている。・飼育地アンデス高原は標高が高く、、山々に囲まれており外部からの病原菌が入りにくい土地である。・アンデス山脈の綺麗な水と社内で管理された餌を与え、養育も徹底して管理されている。・衛生管理の国際規格HACCPの認証を取得している。栄司は日本を飛び出し、直接チリの工場まで出向きます。話し合いの末、豚肉を仕入れることができるようになり、さっそく到着した豚肉を試してみると、メスの豚肉は最高に美味でしたが、オスの豚肉はけもの臭があり使えません。栄司は再びチリの工場に出向きます。良質の豚肉を求め、遠く日本から何度も訪れる栄司の思いを感じたのか、担当の方から「なんとかメスの豚肉だけ提供できるように考えます。時間をください。」と言う答えをもらうことができました。そして一年後、岩崎本舗専用に小さい頃から仕分けしたメスの豚肉だけを提供してもらえるようになりました。現在は製法を見直し、メス豚でなくても臭みを抑えて製造できるようになりました。角煮まんじゅうは、ご存知の通り「角煮」と「生地」でセットになりますが、もちろん生地にも秘話があります。角煮まんじゅうの生地は、お客様から「生地だけの販売もしてほしい」とのお声をいただくほど大好評です。この生地に使用している小麦粉は、岩崎本舗専用に配合されたもので、その配合は社内でも三人しか知らない極秘事項です。粉をふるう行程でも異物を除去し空気を含ませるために特別な機械を使用し、前述でも出てきたように生地の発酵はイーストを使って発酵。蒸す前の生地はとても柔らかく、すばやくきれいに成形するのは繊細な熟練した技が必要です。       

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