波乱まんじゅう記
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「外注が無理なら自分たちで作れないか?」と角煮を炊く時に出る脂(ラード)を研究し始めます。させました。次に、生地の風味を出すために使用していた【マーガリン】マーガリンに含まれる【トランス脂肪酸】を生地からなくそうと考えました。しかし、仕入れていたマーガリンには全てトランス脂肪酸が含まれていました。するとその脂は、業者から「売って欲しい」と言われるほど質もよく、動物性であることからトランス脂肪酸も含まれていないことがわかりました。そこで、すぐに製油のための機械を導入。安定した製造に成功しました。栄司は更に奮闘します。次に目をつけたのが角煮の味付けには欠かせない醤油。醤油には【かんぞうエキス】という添加物が使われていたので、食品添加物不使用の醤油を求めて、専門家に相談します。長崎で一九六八年から添加物不使用の醤油を製造していた「チョーコー醤油」さん。栄司は角煮まんじゅうに合う岩崎本舗専用の醤油を作ってもらいたいと頼み込みました。チョーコー醤油さんは栄司の熱意を受けとめ、開発を承諾してくれました。そこから、チョーコー醤油さんがサンプルを何種類か持ってくる。栄司が味見をし、「ここはこのままで」「ここをこうしてほしい」などリクエストを出す。リクエストに応え、またサンプルをいくつか持ってくる。これを納得いくまで繰り返しました。数年後、ついに添加物不使用で角煮に最適な『岩崎本舗専用醤油』が完成しました。無茶なリクエストも多くありましたが、それでも何度も何度もサンプルを持ってきていただいたチョーコー醤油さん。角煮まんじゅうには無くてはならない存在です。さらに、角煮を炊くタレに使用していたザラメ。       

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